フレデリック・ワイズマン『ストア』/洗濯バサミ問題 / 乙女ゴミ屋敷アート

 春だ!!! やっと冬眠から解き放たれた……。生物界の噂によると、人間は胎児のころ、発達段階の過程で魚類似になったり爬虫類似になったりと進化の過程を繰り返しているという。その説を踏まえて考えると、哺乳類であるにも関わらず変温動物の兆候がみられる私は、発達段階で哺乳類に進化することに失敗してしまったのかもしれない……。

フレデリック・ワイズマン『ストア』

フレデリックワイズマン / ストア
 フレデリック・ワイズマンの特集上映がやっているので、未見だった『ストア』を見てきました。注目なのは、ヴェルタース・オリジナルのCMのごとく「特別な人間」というキーワードが乱発されるという、自己啓発セミナー会場と化した百貨店の姿。たとえば、ダイヤが大量についたネックレスを試着して「わあ…なんだか自分が特別な人間になったような気分だわ……買えないけど……首にこうしてかけているだけで、すごく良い気分…」と舞い上がっている女性や、上司に促されて、社員のひとりひとりが「ニーマン=マーカスで働いてるのと言ったとたん周囲の人たちの目の色が変わるんです。まるで、スポットライトが当たったみたいで…自分がまるで特別な人間になったような気持ちでした」というようなことを順番に語りだす会議の様子。テキサスの人たちは、みんな幼少期からヴェルタース・オリジナルを母乳代わりに成長してきた「特別な人間」たちばかりなのでしょうか……。労働と消費の間を反復しながら、エブリタイム・躁状態で生きる彼 / 彼女たちと、デスマスクのチェーンソー男を抱え込む敬虔なプロテスタントらしい生真面目さで発狂した家族たちが同居する地、テキサスでは過剰に溢れ出た資本主義の精神がいつしか竜巻となって、家族そろって肥満体の生活保護で生きる母子世帯が住むトレーラーハウスをぶっ飛ばすという……。

洗濯バサミの劣化問題

洗濯バサミが壊れた…

 全世界の生活者を悩ませている「洗濯バサミが、使っているうちになんだかだんだん毛羽立ってきて、最後には割れて壊れる」プロブレム。あの微妙に毛羽立っている感じが、THE・惨めな生活という印象だし、洗濯バサミの毛羽立ちと私の心のすさみ具合に正の相関が感じられる気がしてならない……ということを疑っていた矢先、今日ついに三個目が壊れた……。ネットの噂によると、自分の心のすさみ具合を環境のせいにする人間はサクセスできないらしいので、ソリューションをファインドすべくネットサーフィンをしていたら、どうやら紫外線がいけないらしいというファンダメンタルすぎる指摘があったので、人生諦めが肝心……と思って買い換えることにしました。自己啓発地獄からレッツ解脱!

参考
洗濯バサミがぼろぼろになる原因は?
洗濯ばさみが壊れます。